山梨県山梨市の内科・糖尿病内科・脂質代謝内科 中央内科クリニック

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糖尿病あれやこれや 1


糖尿病はどんな病気


『糖尿病』は、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高い状態である高血糖が慢性的に続く病気です。血糖値が高くなると糖が尿に漏れ出してきます。このため『糖尿病』と言われるわけです。今から3500年前、エジプトのエベレスパピルスに「多量の尿を出す病気」と記載されておりこれが糖尿病の始まりと言われています。日本では、平安時代、源氏物語の主人公:光源氏のモデルとなったといわれる藤原道長を始め、織田信長、北原白秋、夏目漱石、海外ではエジソン、バッハ、セザンヌなどが糖尿病として知られています。『糖尿病』の世界の患者数は、2019年のIDF統計では4億6,000万人で2045年には7億人まで1.5倍に増加すると予想されています。


日本の糖尿病の患者さんはどのくらいいるの? 


糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人の合計は1990年には775万人でしたが、2017年には2000万人まで増加し、実に国民全体の6人に1人となり今や国民病となっています。
 


どうして糖尿病はおこるの?


日本人の糖尿病の95%を占める2型糖尿病が起こる原因ですが、インスリンの効きにくなるインスリン抵抗性と、インスリンの出が悪くなるインスリン分泌不全が合わさって発症すると考えられています。そしてその原因としては遺伝因子(体質)と環境因子があります。環境因子としては肥満、そして高脂肪食、運動不足、ストレス、加齢などがあげられます。日本人は、欧米人に比べるとインスリンを出す力が半分くらいの体質ですので、標準体重で糖尿病予備軍、これに肥満が少し加わると小太りでも糖尿病が発症します。欧米人はインスリンの出が良好なので、小太りぐらいでは正常、肥満でも糖尿病予備軍ぐらいの人が多いです。残念ながら日本人は糖尿病になりやすい体質というわけです。


糖尿病にはどんな種類があるの?


糖尿病は1、1型糖尿病 2、2型糖尿病 3、その他の特定の機序、疾患によるもの 4、妊娠糖尿病 の4つに分類されます。
 

糖尿病の自覚症状にはどんなものがあるの?


血糖値が高くなると、喉が渇いたり(口渇)、尿の量が増えたり(多尿)、食欲が増したり、体がだるくなったり(全身倦怠感)、体重が減少したりします。しかし、このような症状が現れるのは血糖値がかなり高くなってからのことが多いですので、自覚症状がないからといって安心できません。
 

糖尿病は自覚症状がない時期でも、どうして治療が必要なのでしょうか?


それは・・血糖値が高い状態「高血糖」をそのままにしていると多くの「合併症」が起きてくるからです。
 糖尿病の三大合併症は、『し・め・じ』と言われます。『し・め・じ』の『し』は手足のしびれなどがおこる神経障害、『め』は網膜症や視力障害がおこる眼の障害、『じ』は尿を作る力が弱くなる腎障害を表します。
 また、より重度化すると、『え・の・き』と言われる合併症が起こってきます。『え・の・き』の『え』は血行の悪くなった足などが少しの傷から腐敗する壊疽、『の』は脳梗塞、『き』は心筋梗塞などの虚血性心疾患を表します。

 


糖尿病になると合併症は必ず起こるの?


UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)における細小血管症の発症率とHbA1cとの関連からみると、HbA1cの上昇とともに、細小血管症の発症率の上昇がみられ、HbA1cが7%を超えると発症率が大きく上昇しています。また、どのHbA1cレベルにおいても観察10年目までは発症率がほぼ横ばいですが、10年を超えると急激な発症率の上昇がみられます。つまり糖尿病のコントロールが良いほど、罹病期間が短いほど細小血管症(し・め・じ)は起こりにくいのです。


糖尿病のコントロール目標は?


Kumamoto Studyの結果から、HbA1cの上昇とともに、細小血管症(し・め・じ)の発症率の上昇がみられ、HbA1cが7%を超えると発症率が大きく上昇しています。ここから、糖尿病のコントロール目標は『あなたとあなたの大切な人のために Keep your A1c below 7 %』という標語が生まれました。

血糖管理をしっかりすると糖尿病合併症は本当に起こりにくいの?

UKPDS33(United Kingdom Prospective Diabetes Study)の結果から、食事療法中心の従来療法群に対し、薬物療法による強化療法群では細小血管合併症(し・め・じ)を25%低下させることがわかりました。血糖管理をしっかりすると糖尿病合併症は本当に起こりにくいのです。

レガシー効果


欧米の大規模臨床研究(UKPDS)の研究結果から『レガシー(遺産)効果』という言葉が注目されています。これは早期から、血糖コントロールをしっかり行うとそのレガシー(遺産)で、10年後、20年後の動脈硬化が優位に抑制できるということを意味しています。10年後、20年後に有利なレガシー(遺産)を受けるためには、定期検診を受けることと、早期治療を行うことが何より大事だと思われます。


 



 

 



糖尿病の治療

 

糖尿病の治療目標は、合併症の発症・進展を阻止して『健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)を維持し、健康な人と変わらない寿命の確保』することにあります。そのための血糖値をコントロールする方法として食事療法運動療法薬物療法があります。
 


食事療法のポイント

糖尿病の食事に特別なものはありません。1)腹八分 2)ゆっくり食べる 3)野菜を多く食事の前のほうで食べる 4)夕食後は食べない 5)できるだけ1日3食たべる(左のグラフにあるように1日3回食べた方が、1日2回よりも食後の血糖上昇が抑えられます。) といった基本を可能な範囲疲れず持続することが大事です。
 

和食:日本人の食文化

2013年12月ユネスコ無形文化遺産 に『和食:日本人の食文化』が認定されました。『和食』の4つの特徴には
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重 
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス:一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスであり、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っている 
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現 
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
などが挙げられており、(2)健康的な食生活を支える栄養バランスは糖尿病の食事療法にも推奨されると思われます。

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糖尿病の治療薬にはどんなものがあるの?

糖尿病の治療薬は経口薬と注射薬の2種類があります。
経口薬には1)インスリン分泌非促進系のビグアナイド薬、チアゾリジン薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬 2)インスリン分泌促進系のDPP-4阻害薬(血糖依存性)、GLP-1受容体作動薬(血糖依存性)、イメグリミン(血糖依存性)、SU薬(血糖非依存性)、グリニド薬(血糖非依存性)の計9種類があります。
注射薬には、種々の作用時間のインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬があります。

インクレチン(DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬)の登場は糖尿病治療に大きな変化をもたらし、インクレチン パラダイムシフトと言われております。
SGLT2阻害薬は心臓腎臓の臓器保護作用が認められ注目されております。

世界糖尿病デー

世界糖尿病デーは、世界に拡がる糖尿病に対応するために、2006年の国連総会において認定されました。11月14日は、インスリンを発見したバンティング博士の誕生日であり、この日を糖尿病デーとして世界中で糖尿病啓発キャンペーンが行われています。この日は世界中で、シンボルカラーであるブルーでライトアップされます。今年(2022年)も武田信玄像が青くライトアップ予定です。